放送日:2017年6月23日

「フロアライト その3」

 前々回より「フロアライト」のお話をさせて頂いております。
 1回目は、ひとつの空間に複数の照明器具を置くことで、雰囲気創りや省エネにも役立つ「1室多灯」という照明手法の考え方とその中で効果的に使う「フロアライト」の活用法、2回目は、お部屋を全般的に照らすシーリングライトなどの天井照明との違いや組合せ方法、また、「フロアライト」の特性や捉え方をお伝えしてきました。
 そこで、3回目となる今回は、実践編としまして、実際にご自宅で「フロアライト」を検討されている方々の為に、失敗しない器具選びや使い方、また時間があれば、おススメの「フロアライト」のご紹介などお伝えできればと思います。

 「フロアライト」は、既存の照明に追加することで適度な陰影が生まれ、普段のお部屋の雰囲気をワンランクアップしたお洒落な空間にすることも可能となります。
 特別な電気工事もいらず、コンセントから電源を取るだけといった手軽さからも、本当におすすめの照明器具のひとつなのですが、日本の住宅照明の中では、まだまだ馴染みが薄いように感じます。それには、いくつかの要因が考えられるのですが・・・
 その最大の理由のひとつに、天井照明の照らし方に対するあかるさ感の慣れがあります。
 天井から全般的に床・壁を照らすシーリングライトと違い「フロアライト」は光源が目線に入る高さとなることで、設置する場所によって床・壁・天井の明るさが変わり、お部屋の明るさ感が異なります。それによって生まれる陰影が意図をもった「あかり」によるものであれば良いのですが、一歩間違えると薄暗さばかりが目立つことになり、購入しても、しばらく経つと結局使われなくなるといった事例も多いのかと思います。
 そこで、基本的な仕様の目安をお伝えしたいと思います。
まず、「フロアライト」には光源の高さの違いの他、仕様的に大きく分けて2種類があります。卓上やある一部分を浮かび上がらせるように照らす局所照明のものと、素材や形状によって2つ変わりますが、光源がシェードで覆われており点灯するとシェードを透過した柔らかい光が広がる全般照明のものの2つです。この特性の違う2つの「あかり」を間違えると薄暗さや使いづらさが生じるわけです。
※器具選びのポイントについて↓

◆演出的な観点から、素材感(器具・セードの規模)とあかるさ感(1部屋に何W相当)
◆間取りや内装材に調和させた器具仕様と設置場所の選択
◆局所と全般の使いわけと、それに応じた設置場所の特定
◆おすすめ器具を2点ほどご紹介

以上を、器具選択の参考として「あかりの演出」を楽しんでいただければ幸いです。