放送日:2017年12月8日

「オーロラ」

 12月に入り本格的な寒さを感じる季節になりました。
私事ですが、とても寒がりなもので、これから春までの数か月間を考えると・・・。
でも、こんな寒い季節に、あえてとても寒い場所に行く人気の海外ツアーがあります。
 「オーロラの観測ツアー」です。オーロラは基本的に1年中見られるようですが、北半球では、特に冬の数か月間が見やすく今がシーズンらしく、観測率の高い北欧やカナダ、アイスランドなどの地域へ、世界中から多くの観光客が、美しい光の姿を観に訪れるとの事です。で、今回は寒い夜空を幻想的に彩る光「オーロラ」のお話をしたいと思います。

 そもそもオーロラとは、どのような現象なのか? オーロラは地球の極地で見られる発光現象で、太陽から地球に運ばれた太陽風のプラズマ粒子が大気中の酸素原子や窒素分子に衝突した際に、地球の磁場に沿って発光する現象となります。様々な分野で研究が進み少しづつ解明されてきていますが、詳細については未だに謎の多い現象のようです。
 特に緯度60度~70度の間で発生しやすく、この緯度の範囲を「オーロラベルト」と呼び、オーロラを鑑賞するようなツアーの場所はこの「オーロラベルト」の範囲にあたる主な地域になります。もちろん、南半球でもオーロラは観測できますが、北半球に比べ陸地が少ないこともあり、日本から行くツアーのほとんどは、観測ポイントの多い、北半球の各地域となる訳です。
 
 ところで、オーロラの観測率が上がるシーズンが、なぜこの寒い冬の時期なのか?・・・また、その期間の中でも特に寒い日によく見られるようですが・・・なぜでしょう?
 
 まず、オーロラを鑑賞できる絶対条件として、雲のない星が見える夜空の日になります。
 雲より高い電離層で発生するため夜空が雲に覆われていると、当然みることができませんので、実際オーロラを見に行っても天候次第で見れないということもあります。
 そして、日中晴れた日の澄んだ夜空に良く見られるのですが、そんな日は放射冷却の影響で夜は特に寒くなるため、オーロラを鑑賞できる夜は特に気温が寒くなるようです。
 また、北半球の高緯度地域の夏は「百夜」といわれる太陽がほとんど沈まない時期があり有名ですが、冬は逆に太陽がほとんど昇らず1日中真っ暗な日が続くことから、11月~2月といった真冬の時期がオーロラを見られる確率が上がる期間となるようです。

 皆さんの中には、オーロラを実際に見に行かれた方や、一度は見てみたいと思われる方もいらっしゃると思います。私も昔からこの光に興味があって何度も見行こうと思い、今まで何度となくツアーを調べたり、行った人の話を聞いたりしましたが、やっぱり最後に寒さの事を考え断念してしまうのですw