第613回 あかりの演出 「化粧肌と光」 2018.06.22
放送日:2018年6月22日
「化粧肌と光」
化粧品のCMなどで「くすみのない明るく透明感のある肌に」なんてキャッチフレーズを耳にしたりしませんか?
実はこの言葉の奥には、化粧肌と光の密接な関係性があります。
光に照らされ肌を光が透過する際、肌表面と肌内部の両方で光をきれいに反射させることで美しく見えるされています。つまり、くすみのない肌で光をどのように反射させるかによって「明るく透明感のある肌」に近づくのかもしれません
そこで今回は、透明感のある化粧肌と光の関係性について考えてみたいと思います。
一般的に肌は光をどのように反射するか? 実は肌表面で反射する光はごく微量で、その光のほとんどが肌内部にまで浸透し、散乱を繰り返しながら一部が外部に反射するといった仕組みのようで、例えば、きめの粗いくすんだ肌の場合は、肌内部で光の進行を妨げられ、光が奥まで届かないことで、肌内部の反射光が少なくなります。
逆に、きめの細かいくすみのない肌の場合は、光がより深い肌内部まで浸透することで、多くの光が均一に顔全体から外部へ反射します。つまり肌内部からの反射が多いと血色の良いツヤと透明感のある顔として人の眼には認識されるようです。
そこで、肌内部の反射を効果的に補い、ツヤと透明感のある顔にするための化粧品が各化粧品メーカーによって開発され続けています。
人の肌で反射させる光といっても様々あります、日中の白く明るい太陽光から赤味を帯びた夕日、また人工照明においても様々な色を持つ光がありますが、これらの光は全て虹の7色の代表される各色の比率の違いによって、光色が変化しています。その中でも特に日本人の肌色を美しくみせるといわれる色が赤とされています。
そこで、あるメーカーでは透明な顔料で色を調整できる干渉色をファンデーションに配合して自然な顔色を演出することのできる商品を開発したり、また他のメーカーでは、肌を美しく見せる赤色光を多く肌内部に透過・反射させ、肌色をくすませる色・多くは黄色光を吸収する特性を持つ「赤色パウダー」と肌表面で光を均一に反射させる「白色パウダー」を組合せた化粧品を販売しているそうです。
また、健康的なお肌は水分量が多く、肌内部の反射が多くなることから、肌の保湿を高める商品なども様々あるようです。
素肌づくりに気を配るとともに、各々に合う化粧品を利用しつつ、光の反射を効果的に取り入れてみるのも「あかりの演出」を楽しむ一歩になるのかもしれませんね