第621回 あかりの演出 「LED照明で楽しく節電 その2」 2018.08.24
放送日:2018年8月24日
「LED照明で楽しく節電 その2」
今回も前回に引き続き、「照明で楽しく節電」と題しまして、生活を楽しみながら出来る少し賢く節電する方法などをお伝えしたいと思います。
ご家庭で消費する電気使用量の中でも上位を占める照明器具ですが、昨今ではLED照明の普及によって、従来使用されていた白熱電球・蛍光灯などの光源に比べ電気代は抑えられてはいます。しかしながら、他の家電製品のようにon/offといった単に機能的に割り切る節電方法と違い、ただ照明を点けたり消したりするだけではなく、その使い方・考え方次第では、生活の質を下げたり、我慢することなく、まだまだ消費電力を減らせる可能性の高い電気機器といえます。
例えば、日頃、家族団欒の明かりとして部屋全体を明るくしていたとしても、いざ子供が寝る少し前やお風呂やお食事を終えられた後からは、就寝前の大人の時間の明かりとして、調光調色機能を使い少し照明を落とし柔らかい電球色のあかりにすることで、大人の時間を演出し子供も自然と眠りにつき、その後、ご夫婦で大人の時間を楽しむ雰囲気づくりをするといった楽しみ方もできます。このようにその空間に過ごす人や時間帯によってあかりの変化に意味を持たせ楽しさを加味しながら、消費電力を下げる効果をもたらします。
また、昔ながらの一室一灯といった一つのお部屋に一つの照明器具で部屋全体を明るくするのではなく、特に不特定多数の人が集うLDKなら、例えば、食事をするときは食卓の上を中心に明るくしたり、リビングで映画やお酒など楽しむ時は少し明かりを落としてみたりと、生活のシーンごとに適切なあかりが違います。そこで従来の一室一灯ではなく、一室多灯といってお部屋に複数の照明器具を設置することで、必要な場所に適度な明るさをとれるようにあかりを制御する方法があります。
ただ、この一室多灯のやり方だと単純に照明器具が増えることになるので、省エネに逆行していると感じる方も多いかと思いますが、実際には「適光適所」といって必要な場所に必要なだけの光を使うことによって、今まで1灯で部屋全体を明るくしていた方法だと、使わなくて良い、照らさなくてよい場所まで無駄な光(消費電力)を使っていたことに気づかれると思います。
今まで節電といえば、「省エネによっていくらくらい得をするか」といったように「お得感」が優先される傾向が強かったように感じます。そして、その節電効果を期待してLEDにされた方も多いと思われます。しかしこの考えだけでは、複数照明を設置すること=「もったいない」と思われるでしょう。これでは、ただ無駄なあかりを見つけて消すといった単に生活に不便を増やす結果にもなり得ます。
そこで、これからは「単なる我慢の節電」からあかりの考え方や使い方に工夫を与え、生活の質を下げずに「付加価値」を得ることのできる照明による節電方法に変えていかなければならないと思うのです。