第786回 あかりの演出「ネオンの今」 2022.02.04
放送日:2022年2月4日
「ネオンの今」
今回は「ネオンの今」についてお話をしたいと思うのですが・・・
皆さんは「ネオン」という言葉を聞いて、どんなイメージを持たれますでしょうか?
おそらく多くの方は、いくつかの色で光っている細い線で文字や形に模った看板サインをイメージされるのかなと思います。
これら「ネオンサイン」は、夜に人通りが多くなる歓楽街など、酒場や遊技場などが多く使用され、それらが建ち並ぶ様や光景を見て「ネオン街」なんて言ったりします。
街を歩くと、よく見かけた夜のサインですが、最近、この「ネオンサイン」見かけなくなったと思いませんか・・・?
このような「ネオンサイン」に使用される光源は「ネオン管」といい、電極を取付けた細長いガラス管に不活性ガスを封入した低圧放電管になります。また封入するガスの違いによって発光色を変化するもので、用途に応じて様々な形状に曲げて造形できることから、昔から、店舗を飾るサインや看板など、夜間の広告用として様々な所で広く多用されてきました。
「ネオン管」は照明メーカーで大量生産できる照明器具などの商品とは違い、当時から主に看板屋さんが、ご依頼されるお客様のニーズに合わせ1つ、1つ手作業で特殊な技術を用いて制作されてきたのですが、今では、ネオン管の特殊加工をできる職人さんが今ほとんどいなくなっている現状があります。また、時代の流れといいますか、それと同じくLEDの開発が進み商品の幅が広がったことで、従来の曲げネオン管から、次世代のネオン管としてLEDユニットに交換する動きが多くなったことが理由のひとつといえます。
確かに、LEDに交換することで、長寿命となりメンテナンス性も高く、消費電力も削減できるとなれば、多くのユーザーがLEDを選択するのは、ごく自然な流れといえますが、本当にそれで良いのか・・・いざ無くなると思うと寂しい気もします。
それ以上に、古い感じ方かもしれませんが、ネオン管の鮮やかな発光から創り出される情感は、熱を出さないLEDにはおそらく表現できないものですし、LEDが主流になった今だからこそ、ネオン管のような光が新鮮に見えてくるのではないかと思うのです。
ブ、ブ~~ン、、バチバチ…w