放送日:2015年9月25日

「第5のあかり」

 今回は「第5のあかり」と題しまして、未来の「あかり」について考えてみたいと思います。
 一般家庭用の照明器具としてもかなり普及が進んでおりますLED照明の「あかり」ですが、今後、様々な技術の向上によって、ますます皆さんのもっとも身近な照明「あかり」として主流になっていくことと思います。
 そもそもLEDの基本的な原理は20世紀初頭に発見されていましたが、光の三原色(RGB=赤、緑、青)の青だけ開発が遅れていたものの、1990年代に日本の技術者によって開発され、光の三原色である(赤、緑、青)3色がそろったことで、1996年には白色を表すLEDが登場しました。これによって看板などの表示用などに用途が限られていたLEDが、一般照明用の「あかり」として開発が進み実用化されることになり、今では「第4のあかり」として、次世代照明の主流となりつつあります。

 1996年に登場した白色LED照明の「あかり」を「第4のあかり」とお伝えしましたが、では、このLED照明以前の第1、第2、第3に位置付けされる人工照明とは何か?わかりますでしょうか?・・・では、一世代ずつ遡ってみましょう。。。

「第3のあかり、、、とは」
 それは、現在でも多くの場所で使用されております。「蛍光灯」です。
「蛍光灯」はアメリカの(ゼネラル・エレクトリック、略称GE社)によって1938年に発明されたといわれています。そのわずか2年後、日本では1940年に法隆寺の壁画の撮影に最初に使われたといわれていますから、当時、画期的な明るさを持つ次世代の「あかり」として急速に世界に広まっていったのだと考えられます。

「第2のあかり、、、とは」
 では、「蛍光灯」を発明したGE社ですが、実はこの会社を設立したのが、発明王で知られるトーマス・エジソンが電気照明会社として1878年に設立したのが始まりといわれております。エジソンといえば、白熱電球の産みの親みたいにいわれておりますが、実はエジソンの発明前から白熱電球は世にできていたのですが、当時、電極部分の消耗が激しく寿命が短いものでした。そこで、エジソンが発光寿命の長い白熱電球をつくる為、日本の京都産の竹をフィラメントの素材として使い、実用性の高い白熱電球を1879年に発明したことで、白熱電球を自社の商品としてGE社から白熱電球を世に広めていったとされております。。
 それによって白熱電球は、世界に向け急速に普及し、当時の「あかり」の主流となっていったとされたことで「第2のあかり」といえるでしょう。

「第1のあかり、、、とは」
 白熱電球以前の人工照明として使われていたもの・・・「ガス灯」です。
ガス灯は1792年にイギリス人技師によって発明されて以後、1820年代頃までには欧米の各都市で街路を火の明かりより明るく照らす照明「あかり」として普及しておりました。
 その後、60年後に白熱電球が実用化されるまで、照明用の明るい「あかり」として使われておりました。

 さて、冒頭でお伝えしました「第5のあかり」とは、どんな未来の「あかり」になるのでしょうか?

 第1:火の明かりより明るく照らすことができた「ガス灯」、第2:光から火を分離して明るく長く照らすことを実現した「白熱電球」、第3:白い発光を実現し消費電力を抑え、より寿命が長く明るく照らすことを実現した「蛍光灯」、そして第4:さらに長寿命で消費電力を抑えることができ、ひとつの光源で色温度を選択できるようになった「LED」・・・このように主流で使われてきた「あかり」の世代が変わるごとに、革新的な変化が伴ってきました。
これから推測するに、世代を追うごとに、だんだんと太陽光に近づいているように思われます。
 このことから、「第5のあかり」とは、エネルギー消費がなく、太陽の自然光に最も近い質の高い「あかり」になるのかなと考えます。→実際どうなんでしょうねw

 では、このような「第5のあかり」ですが、近い将来いつ頃、発明されると思いますか?
 1820年代頃までに普及していた「ガス灯」、1879年に実用化された「白熱電球」、
 1938年に発明された「蛍光灯」、1996年に実用化された白色「LED」・・・と
 これまでの「あかり」を年代ごとに考えると、ある一定の法則がわかります。
それは、各世代が変わるごとに、ほぼ60年周期に新しい「あかり」が実用化されているという事です。
 このことから考えますと、1996年に実用化された白色「LED」から60年後、つまり2056年過ぎ、今から40年後ぐらいに「第5のあかり」が実用化されることになるかもしれませんね