放送日:2016年6月17日

「化粧室のあかり」

 今回は「化粧室のあかり」と題しまして、普段皆さんがお化粧される際のあかりの考え方など、お話しできればなと思います。
さて、皆さんは、普段どのような「あかり」の中でお化粧されていますでしょうか?
 特にお化粧など、鏡の前に立つ機会の多い女性の方は、意識される方もいらっしゃると思いますが、その場所や時間の違いによって、顔に当たる光の色や照らされ方など、時々に応じて変わる為、顔の見え方に違いがあることは感じてらっしゃると思います。
 窓から自然光の入る明るい時間帯の化粧室の環境と夜間、化粧台の照明だけとなる環境では、もちろん顔の見え方に違いが出ますし、使用している照明の光の色の違いより、白い光の元では、チークを濃く付けてしまい外に出ると「厚化粧」になったり、電球色の元では、実際の肌色より暗く感じることで必要以上に白くしてしまい、同じく外に出ると「白浮き」してたなんてケースもありえます。
 このような、光環境の違いによる顔の見え方の違いを理解して、その時々の環境に合わせて、お化粧や身だしなみを整えられると良いです。
ところで、以前の放送でお伝えしました「ハリウッドライト」覚えていますでしょうか?
 正対した鏡の周囲を囲むように、いくつもの電球を並べ配灯して、前面から顔を照らすといった手法で、今でも劇場や撮影所の楽屋などで使われているプロ仕様のあかりとなります。いくつもの点光源で前面から照らすことで、明るくハッキリ見え、面光源のようにのっぺりとならず適度に陰影が残る為、ハイライトやシェーディングが引き立ち、顔に立体感を持たせることもでき、メイクするには、とても優れた照明手法といえます。
 しかしながら、強いライトで照らされる舞台や撮影を想定した「ハリウッドライト」の照らし方は、普段の生活で求める「化粧のあかり」とは少し違います。
普段、生活の中で求める「化粧のあかり」とは、「ハリウッドライト」が舞台照明などの強い光を想定するように、日中、長い時間過ごされる学校や仕事場、また外出されるなら出かける先々の光環境を想定して、その場所や時間に合わせ「化粧のあかり」を選択させるとよろしいかと思います。→最近はLED調色機能を活かした鏡もあったりします。
 例えば、オフィスなど白色の室内照明の中で、長い時間お仕事されるなら、白色の光の元でメイクされたり、夕方以降カフェやレストランなど食事に向かわれるなら電球色の光の元で化粧直しされたりと、向かう先々の環境に合わせるひと工夫もアリかと思います。
 その時々に、想定できる「あかり」の環境に合わせ、それぞれに最適な「化粧のあかり」を見つけていくのも、日々生活を楽しむ「あかりの演出」なると思われます。
 たまに、飲食店の中で食事スペースと化粧室の光環境が違うお店があります・・こんな場所で、化粧直しされる時は注意が必要かもですね(笑)