放送日:2021年4月9日

「オシャレに見える“あかり” その1」

 普段、私が空間デザインをご提案する際、オーナー様より「カフェのような」とか「ホテルのロビーのような」などと、それぞれにイメージされる異なる空間に例えて、「とにかく格好良く」とか「とにかくオシャレな感じに」などとご要望を請ける時があります。
 皆様の中にも、ご自宅の部屋をお好みの店舗のようなカッコいい空間にしたいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ただ、その描いたイメージを形にするには、少し難しそぉと思われている方や、どうしたら良いかわからない方も多いと思います。
 そこで、今回よりは「おしゃれに見える“あかり”」としまして、ご自宅のお部屋などを「あかり」で、おしゃれに格好良く演出する方法やコツをお伝えしていきたいと思います。

 まず、現在、皆様のお部屋ではどんな照明をお使いでしょうか?
おそらく、「天井の中央に大きめな照明がひとつ」という方が、ほとんどだと思われます。
 このひとつの天井照明で部屋を照らす手法は、日本の住宅では高度成長期以降、一般的な照明方法としてよく使われており、部屋を均一に明るく照らすには効果的な照明方法といえます。しかしながら、このような天井照明だけでは、空間にリズムや広がりが無くなり、面白みに欠ける見え方になってしまいます。例えば、今まで訪れたオシャレなカフェや、格好良い店舗の照明を思い浮かべてください、その空間の中には天井照明だけではなく、いくつかの種類の照明が様々な箇所・照らし方で使われている事と思います。→少々説明
 このことからも、感じ取れるように、おしゃれでかっこいい照明の基本とは何か?
 
 それは、お部屋を全般的に照らす天井照明などの「全般照明」に、部屋の各部分を照らす壁付け照明やスタンドライトなどの「部分・局所照明」を加えた「1室多灯」からなる「光の組合せ」にあります。
なぜ、このようないくつかの照明を配置する「光の組合せ」がおしゃれに見えるかというと、それは、ひとつの空間で「明るい箇所」と「暗い箇所」が生まれることにあります。
 「暗い箇所」=「影となる箇所」をあえて空間にのこす事で、空間にメリハリやリズムが生まれ、奥行感や解放感など、より立体的に空間を演出することになるからです。
 このような、光のあて方によって物や空間を適切に見せることを照明用語では「モデリング」というのですが、今までのように、お部屋の隅々まで均一に照らす天井照明だけでなく、時間や場所、必要に応じて「あかり」を配置し空間に「光と影のリズム」を創るモデリングを行うことが、「空間をオシャレに見せるあかり」の最大のポイントとなります。
では、実際にどのように空間を照らせば、オシャレで格好良く見せることができるか?
引き続き、来週お伝えしたいと思います。