放送日:2021年6月4日

「あかりの雑学 No.2」

今回も、前回に引き続きあかりの雑学について、少しお話してみたいと思います。

 皆さんも、TVやアニメ、イラストなど様々な場面で、う~ん・・・と何かを考えた末に・・・アイデアが「閃いた!」って感じの時に、頭の上に「ピカーン!」と電球が光る表現を見たことはありませんか?
 実は、この頭上で光る電球の表現や描写のことを英語ではIdea Bulb(アイデア バルブ)といい、日本では、「ひらめき電球」「ひらめきマーク」なんて言葉になっているくらい、昔から、電球といえば、ひらめきやアイデアの象徴であるかのように世界中で使われる表現になっています。ではなぜ?アイデアが閃いた時の表現に「光る電球」が使われるようになったのでしょう?・・・電球以外にも光るものはいろいろあるのに?

 この「ひらめき電球」の起源については諸説あるようですが、100年程前、1920年代に“Felix the Cat”というアメリカのアニメの中で使われた表現が最初の「ひらめき電球」として有力なようです。黒猫のキャラクターです。
 ところで100年以上前の「電球」といえば、忘れてはいけないのが長時間点灯を可能にし電球を実用化させた発明王トーマス・エジソンがいます。エジソンがこの実用性の高い白熱電球を世に出すまで明かりといえば、一部の街灯りにはアーク灯やガス灯などは存在していましたが、一般的にはロウソクなどの直火を使用したわずかな明かりで過ごしていました。そんな時代に登場した白熱電球は従来なかった画期的な生活光源として急速に全世界に普及していくことになったのです。もちろん開発者のエジソンも世界の人々の知るところになります。
 当時のエジソンを撮影した写真や描かれたイラストを見てみると、白熱電球と並んだ写真やイラストが多くあり、当時の新聞・雑誌でその姿をたくさんの人が見ていたことでしょう
 その頃エジソンが残した有名なセリフに「天才とは1%のひらめきと、99%の努力である」なんて言葉があります。
これらの時代背景から推測するに、当時、エジソンと電球一緒に撮影した写真や新聞イラストを見た“Felix the Cat”の作者が・・・ひらめき=発明王エジソン、そして電球といった連想が元になって、アイデアが閃く様を頭上の電球が光ることで表現することは、ごく自然な流れであったかもしれませんね

 さて現在、白熱電球は、ほとんどのメーカーで生産中止となっていて、この「ひらめき電球」の表現は、これからも残っていくのでしょうか・・・?